電気工事の現場で最も身近な『VVFケーブル』。しかし、最近では環境配慮や防災の観点から『EEF線(エコ電線)』を指定される現場も増えてきました。
『そもそもVVFケーブルってどんな電線?』 『EEFとの違いは?』
本記事では、現役の視点からVVFの基本概要とEEFの決定的な違いを徹底比較。さらに、現場で役立つ許容電流の考え方についても解説します。この記事を読めば、設計図面に『エコ電線』と書かれていても、もう迷うことはありません。」
VVFケーブルの基本構造と種類(1.6mm/2.0mm)
VFケーブルは、正式名称を**「600Vビニル絶縁ビニルシースケーブル平形」**と呼びます。その名の通り、以下の3層構造で構成されています。
- 銅導体:電気を通す中心部。
- 絶縁体:導体を包むビニル層(黒・白・赤など)。
- シース(外装):複数の絶縁電線を一括で保護する外側のビニル層(通常はグレー)。
主なサイズ展開と使い分け
現場で最も使用されるのは 1.6mm と 2.0mm の2種類です。これらは「断面積(mm2)」ではなく「単線の直径(mm)」で表記されるのが特徴です。
※単線(1本の銅線)、複線(細い銅線が束になったもの)
| サイズ | 主な用途 | 特徴 |
| 1.6mm | 照明回路、スイッチ回路 | 取り回しが良く、一般的な屋内配線の主流。 |
| 2.0mm | コンセント回路、エアコン専用回路 | 許容電流が大きく、負荷が高い場所に使用。 |
2.6mmのものもありますが、使用頻度は非常に少ないです(私は使ったことすらありません)。必要な場面があっても、CV線などほかの電線で代用できます。
VVFケーブルの許容電流・耐熱仕様一覧
| サイズ (直径) | 芯数 | 許容電流 (A) | 耐熱温度 (℃) |
| 1.6mm | 2芯 | 18 | 60 |
| 1.6mm | 3芯 | 15 | 60 |
| 2.0mm | 2芯 | 23 | 60 |
| 2.0mm | 3芯 | 20 | 60 |
実務では、これに『電流減少係数』を掛け合わせる計算が必要です。手計算でのミスを防ぐため、当サイトの「許容電流計算ツール」を活用して、現場条件に合わせた正確な数値を算出してください。
VVFとEM-EEF(エコ電線)の違い
VVFケーブルと非常によく似た形状の電線に「EM-EEF(通称:エコ電線)」があります。見た目はほぼ同じですが、材料の性質が根本的に異なります。
| 項目 | VVFケーブル | EM-EEF (エコ電線) |
| 絶縁体・シース | 塩化ビニル(PVC) | 耐燃性ポリエチレン |
| 耐熱温度 | 60℃ | 75℃ |
| 許容電流 | 標準(1.6mm-2Cで18A) | VVFより高い(1.6mm-2Cで20A) |
| 燃焼時の特性 | 有毒な塩素ガスが発生する | 有害ガスが発生せず、煙も少ない |
| 価格 | 安価 | VVFより高価 |
許容電流の差
EM-EEFは被覆に耐熱性の高いポリエチレンを使用しているため、VVFよりも許容電流が数アンペア高く設定されています。 ※ただし、内線規程等の計算上は、周囲温度や補正係数によって最終的な決定値が変わるため注意が必要です。
環境・安全への配慮
EM-EEFの「EM」は「Eco Material(エコマテリアル)」の略です。
- ハロゲンフリー: 燃えてもダイオキシンや塩素ガスなどの有害物質を発生しません。
- リサイクル性: 被覆材の再利用がしやすく、環境負荷が低いのが特徴です。
現場での見分け方
- 被覆の色: どちらもグレーが一般的ですが、EM-EEFはシースに「EM-EEF」と印字されているほか、手触りがVVFより少しサラサラ(あるいは硬い)感触があります。
- 剥きやすさ: エコ電線はVVFストリッパーで剥く際、VVFよりも少し抵抗が強く、刃の調整が必要な場合があります。
実際現場では?
VVFもEM-EEFも、用途として大きな違いはないため使用する際は、特に大別することはありません。しかし現場によって「EM-EEF使用しなければならない」ことがあります。これは工事の発注者や施工の元受けが決めた場合は遵守する必要があります。
特別な理由がなければ、経済的にメリットがある、VVFを使用するとよいでしょう。
まとめ
本記事では、電気工事の基本であるVVFケーブルと、環境性能に優れたEEF(エコ電線)の違いを解説しました。
- 施工性重視ならVVF: 剥きやすく、コストパフォーマンスに優れる現場の主役です。
- 環境・防災重視ならEEF: 煙が出にくく環境負荷が低い一方、被覆の硬さや価格面に注意が必要です。
- 許容電流の確認も忘れずに: どちらの電線を使う場合も、施工条件に合わせた正確な計算が欠かせません。
「この条件で本当に大丈夫かな?」と迷ったときは、当サイトの『許容電流・電線管サイズ選定ツール』をぜひ活用してください。 現場でのミスを防ぎ、より安全で正確な施工をサポートします。


